北砂小嶋歯科クリニックブログ blog

口腔がんの種類と症状

前回に引き続き、口腔がんについてのお話です。

できる場所によってどんな症状が起きるのか?どんな治療になるのか?お話していきます。



●舌がん
歯が欠けたり虫歯になったりして尖った部分がある、詰め物や被せ物の不適合、入れ歯が合わないなど、舌に慢性的な刺激が加わると、口腔がんを発症する場合があります。初期段階では潰瘍やびらんができますが、進行するにつれて、食事のときにしみる、歯ブラシが当たって痛むという自覚症状が現れてきます。さらに進むと、食事をするのが困難になる、言葉が発音できないなどの障害が起こり、がんが舌のつけ根や咽頭部に達すると舌を動かせなくなることもあります。

●歯肉がん
歯肉がんの多くは上顎より下顎に発症することが多く、奥歯の近くにみられます。初期段階では歯肉が腫れるくらいで、強い痛みはありません。進行すると潰瘍やしこりができ、腫瘍が大きくなって表面がカリフラワー状に盛り上がり、出血がみられます。腫瘍が下顎の神経まで進行すると、下唇の麻痺や歯の傷みを感じることがあります。がんが咽頭部にまで広がると、顎を動かしにくい、口が大きく開かなくなるといった症状が出ます。

●口腔底がん
口腔底は舌の下の部分にあたり、がんは前方に多く発症します。喫煙と飲酒が大きく影響していると言われています。初期段階では小さな潰瘍、粘膜が変色して白斑、充血による紅斑が生じる場合があります。ほとんど痛みを生じないため、かなり進行してからようやく治療を始める、というケースも少なくありません。口の底は狭く、がんが周囲の組織に浸潤して舌や歯肉、下顎骨にまで広がってしまう場合があります。

●頬粘膜がん
上下の臼歯の周辺粘膜、口角の後ろなどに発生しやすく、詰め物や被せ物の不適合、合わない入れ歯による刺激、喫煙や飲酒などが原因と考えられています。初期段階は小さな潰瘍やびらんがみられますが、特に目立った症状はありません。触ったときに粘膜の下にしこりやふくらみ、痛みを感じることがあります。

●口蓋がん
上顎に発症するもので、喫煙や飲酒、刺激物(辛い食べ物など)が要因と考えられています。初期段階では痛みはほとんどありませんが、進行すると粘膜の表面が白っぽくなる、赤い斑点ができるなどの症状が現れます。激しい痛みはありませんが、ピリピリした刺激を感じる場合があります。もっと症状が進むと腫瘍ができて、強い痛みを感じるようになります。

●口唇がん
口唇粘膜と皮膚の境目にある皮膚や粘膜部分に発症します。喫煙や紫外線、アルコールなどが要因とされていますが、口腔内にできるがんに比べて発症率は少ないとされています。初期段階では、口唇の表面が荒れる、かぶれるなどの症状がありますが、進行すると、しこり、潰瘍、びらん、カリフラワー状の腫瘤がみられます。

●口腔がんの治療
治療法は、「手術による切除」「放射線治療」「抗がん剤による治療」があります。治療の選択は、がんの部位・大きさ・病理組織診断・転移によって決定し、それぞれの療法を単独あるいは併用して行います。
首のリンパ節に転移がある場合には、首のリンパ郭清(頸部郭清術)を行うことになります。また、口腔がんの手術の場合、舌や顎骨、顔面を切除するため、術後、咀嚼(そしゃく)障害、嚥下障害、顔貌の変形などの後遺症が残ることがあります。


初期症状は分かりにくいものが多いので、定期的な検診や気になった際にはご来院下さい。

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