乳歯と永久歯の違い
今回は、乳歯と永久歯の違いについてお話したいと思います。
それぞれどのような違いがあるでしょうか?
乳歯はつくりが未熟な歯?
子どもの身体というのは、大人の身体と比較すると、いろいろな点において未成熟であることが多いですよね。それと同じように、乳歯は永久歯よりもつくりが未熟であるといえるのです。最も分かりやすいポイントは、歯を構成しているエナメル質や象牙質の厚さです。
●歯の数
乳歯は全部で20本、永久歯は親知らずを除き、全部で28本あります。
乳歯が抜け、永久歯が萌出してから、2~3年ほどの期間は「幼若永久歯」と言われ、歯質が未成熟のため、むし歯になりやすくなります。少しずつ、唾液中のリンやカルシウムが沈着して、歯は石灰化していきますが「成熟した歯」になるまでには、5年程かかるといわれています。
萌出直後の幼若永久歯は、フッ素をよく取り込むので、フッ素によって将来むし歯になりにくい丈夫な歯を作ることができます。
●エナメル質、象牙質の厚さ
乳歯の表面のエナメル質と象牙質の厚さは、永久歯の約2分の1と言われていて、とても薄いのです。その為、むし歯になるとすぐに神経まで達してしまう可能性があるので注意が必要です。
●歯質の柔らかさ
乳歯は石灰化が進んでいないため、歯質が柔らかく、酸に溶けやすい為むし歯になりやすいです。
●色、大きさ
色は乳歯が白に近く、永久歯が黄色味を帯びています。
大きさは、乳歯の方が全般に永久歯よりひとまわり小さいです。
●生まれつき歯が足りない「先天性欠損歯」
本来乳歯は20本、永久歯は親知らずを除いて28本生えてきますが、生まれつき歯が足りないことがあります。これを「先天性欠損歯」といいます。
先天性欠損歯は、生まれながらにして永久歯の芽となる「歯胚」がありません。通常歯胚が成長すると、永久歯の頭の部分(歯冠)となります。それが、乳歯の芽を溶かしていくことで乳歯が抜けるのですが、永久歯が欠如していると、生え変わりが起きません。そのまま残った乳歯は永久歯よりもむし歯になりやすい為、より注意が必要になります。
永久歯を大事にする為に、乳歯の時からケアをしっかりしていきましょう。定期的に歯科での検診を行うのも大切です。